秋田(横手)、岩手(二戸)、長野(佐久)、東京(葛飾北)、沖縄(石川)5保健所管内の氏名の無作為標本370名を対象に行った3日間秤量法食事調査の資料を分析し、栄養素の摂取量が推定可能な半定量食事調査票を開発した。 1.調査票に含める食品項目の選択:四訂成分表に記載された1621項目の食品を154項目にまとめ、15栄養素の総摂取量に対する個別の食品項目の寄与率を算出した。寄与率の高い食品から調査票に含める項目を選択し、調査票の暫定版を作成した。 2.パイロット調査:東京を除く四保健所管内の127世帯253名に、調査票の暫定版を2回記入してもらった上で、回答しやすさ、追加削除すべき項目等について聞き取りを行なった。 3.調査票の確定版の作成:パイロット調査に基づき若干の修正を加え、138の食品項目からなる確定版を、mark sheet方式で作成した。食品項目による15栄養素のカバー率は概ね良好だった(中間値=83%、範囲=55-91%)が、脂質(70%)とナトリウム(55%)のカバー率は低かった。このため、調味油や食卓塩の使用頻度等に関する質問項目を追加した。 4.栄養計算のためのdata baseの作成:調査票の頻度に関する回答から、栄養素摂取量を算出するためのdata baseを作成し、個人別の摂取量を計算した。調査票に基づく平均値と3日間秤量法食事調査の平均値は、概ね10%の範囲で一致していた。
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