新潟県S市において、4年前から追跡調査を継続実施している小学6年生および中学3年生約260名のコホート集団の中から、小学6年生男子10名、同女子10名、中学3年生男子13名、同女子9名を抽出し、本研究の対象とした。そして、下記の変数について、1995年11月に調査・検査を実施した。 目的変数:安静時心拍数、血圧値、および断層・ドップラー心エコーによる左室心筋容量、心拍出量、左室心筋拡張能、総コレステロール、HDLコレステロール、尿酸 説明変数:身長、体重、坐高、キャリパ-による6箇所(上腕、肩甲下部、腋窩下部、腹部、大腿遠位部、下腿側面)の皮脂厚測定、6箇所(上腕、腹部ウエスト、ヒップ、大腿、下腿)の周囲長 血清総コレステロール、HDLコレステロール値、収縮期血圧について、ベースライン調査(1991年)から1995年までの変化が、体脂肪分布に関する諸変数の同時期の変化と、どのような相関関数が認められるか、単変量解析により検討した。結果は、下記の通りである。 総コレステロール HDLコレステロール 収縮期血圧 小学6年生男子 w/H比(+) ヒップ周囲(-) NS 中学3年生男子 身長(-) 腋窩部皮脂厚(-) NS 小学6年生女子 NS NS NS 中学3年生女子 NS 皮脂厚値の合計(-) w/H比(+) [注:()内、+は正の、-は負の相関関係を示す] 成長期・思春期において、体格・体脂肪などの変化が、循環器疾患リスクファクターに対して、重要な影響を与える可能性が示唆された。 なお、心臓超音波に関する結果は、現在解析をすすめているところである。
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