研究課題/領域番号 |
07770306
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
山崎 浩史 大阪府立公衆衛生研究所, 薬事指導部, 研究員 (30191274)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | チトクロームP450酵素 / チトクロームb_5 / 大腸菌 / ヒト / CYP3A4 / CYP3A5 / フラボドキシン / リコンビナント |
研究概要 |
薬物代謝酵素の中でも最も重要な酵素のひとつであるチトクロームP450酵素の活性発現には、NADPH-P450還元酵素が必須であるが、ヒト肝の主要分子種であるP4503A4酵素を用いる再構成系における活性発現条件については、混合リン脂質等を必要とするなど、他の分子種とは異なることが示唆されている。そこで、ヒトに対する化学物質の安全性評価を目的として、ヒトのリコンビナントP450酵素から、P4503A4と遺伝的多型性が報告されているP4503A5を選び、種々の条件下で薬物代謝活性を調べ、大腸菌の電子伝達系の利用の可能性についても検討した。 活性発現条件を調べたところ、両酵素のニフェジピン酸化、テストステロン水酸化活性及びアフラトキシン代謝的活性化反応は、チトクロームb_5と塩化マグネシウムに大きく依存したが、エリスロマイシン及びエチルモルフィン脱メチル化反応ではこれらを要求しなかった(論文1-4)。 大量に入手可能な大腸菌の上清画分から電子伝達系に関与するflavodoxinとflavodoxin還元酵素を精製し、ウサギ肝由来のNADPH-P450還元酵素と置換したところ、P4503A4に電子を供給して薬物酸化活性を発現させたが、その触媒作用は十分ではなかった。P4503A4遺伝子を導入した大腸菌を直接を用いてもテストステロン水酸化活性が弱いながら認められた(論文1)。 以上の結果から、ヒトP4503A4/5酵素の薬物酸化反応には、基質によってチトクロームb_5と塩化マグネシウムが必須となることが認められた。またP4503A4酵素遺伝子導入大腸菌がバイオリアクターとして利用可能であることが示唆されたが、医薬品等の薬理活性や毒性を検討するためには、精製ヒトP450酵素を用いて至適条件で活性を再構成し、関与するP450酵素の特定(論文5)により、化学物質の代謝的活性化や薬物相互作用等を整理して理解することが必要である。
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