研究概要 |
正常および潰瘍性大腸炎大腸粘膜の生検材料を試料とし、スーパーオキサイドを産生する粘膜内炎症性細胞の性状に関して免疫組織科学的に若干の知見を得た。方法は、大腸粘膜生検材料に、1mg/mlのnitroblue tetrazolium(NBT)を含有するEagle's minimum essential medium 0.3mlを添加して2時間の器官培養を行う。培養後試料を固定し、OCTコンパウンドにて包埋し凍結切片を作成する。得られた切片に対して1次抗体として抗PMN13-F6(anti neutrophil),抗EG2(anti eosinophil)、抗EBM11(anti tissue macrophage)、抗calprotectin(anti activated histiocyte,monocyte lineage)、抗CD11b(adhesion molecule)を用い、酵素抗体免疫組織染色法により粘膜に浸潤している炎症性細胞に発現している抗原とNBT還元能の関連に関して検討した。炎症性腸粘膜において、NBT還元能を示す細胞が増加していた。これらの細胞の抗原性状から、NBT還元能を示す細胞は、macrophage,neutrophil,およびeosinophilであることが判明した。活性化された白血球に発現しているCD11bに関しては、eosinophil,neutrophilと強い関連が認められた。
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