研究課題/領域番号 |
07770392
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
戸島 恭一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80207571)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 肝外門脈閉塞症 / 海綿状血管増生 / 血管新生関連増殖因子 |
研究概要 |
体重200gSD系雄性ラット75匹をネンブタール麻酔下に開腹し、脾静脈合流部より肝側の門脈を21ゲージ注射針とともに結紮した後注射針を抜去し、門脈圧亢進症モデルとした。術後1から7日目には肝門部に組織標本上異常脈管が出現した。またバリウムを用いた軟x線撮影では、門脈結紮部周囲に異常脈管を認め、本モデルは肝外門脈閉塞症の実験モデルとして妥当と思われた。この海綿状血管増生は、早期には術後一日めから出現することから、比較的早期に側副血行路が形成されると考えられた。このため術後早期(24時間)に開腹し血管新生関連因子の検討を行った。下大静脈採血による血管新生関連因子の測定では、対照群に比し有意の上昇は認めなかった。また門脈中に関しても同様の測定をおこなったがやはり対照と差はみとめなかった。異常脈管の性状に関しては同部の組織切片を抗第VIII因子抗体で免疫染色したところ、門脈壁と同様に染色され、また腸管膜静脈からバリウムゲラチンを注入すると異常脈管内に流入が認められた。以上からこの脈管は門脈系血行路であり、求肝性の側副血行路であることが明らかとなったが、抗EGFR抗体、抗FGFR抗体を用いた免疫染色では受容体の存在は証明されなかった。また摘脾併施のラットにおいても同様の異常脈管が形成されるため、脾から供給される血管新生関連因子の関与は否定的と思われた。以上の結果からは、海綿状血管増生に血管新生因子の関与は否定的であり、既存の細血管が鬱血により開大する可能性が強く示唆されるが門脈狭窄のごく初期に血管新生因子が関与する可能性も考えられさらなる検討を要すると考える。
|