研究課題/領域番号 |
07770416
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
諏訪部 章 山形大学, 医学部, 助手 (20241713)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 肺傷害 / 好中球 / スーパーオキサイド / サーファクタント |
研究概要 |
人口の高齢化に伴い,長期にわたる喫煙や環境汚染因子に対する長期暴露の結果、肺組織傷害に起因する気腫化・線維化などの呼吸器疾患が増加している。特に成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)は致死率が高く比較的若い世代をも巻き込む社会的疾患となっている。これら疾患の発症には、肺胞滲出好中球とそれが放出する組織傷害性のプロテアーゼや活性酸素などが深く関与している。我々は、肺胞領域に存在する好中球機能抑制因子に着目しその分離・精製ならびに治療への臨床応用について研究を進めてきた。計画書で述べたように、ラット肺胞洗浄液から遠心により細胞成分およびサーファクタント成分を除去した上清中にヒト好中球のスーパーオキサイド産生および接着を抑制する生理活性物質が存在することを見い出した。この抑制活性は、100℃、10分の熱処理にて失活したことから、蛋白性抑制因子であり、またSODのような消去剤とは異なる新種の活性物質と考えられた。 今年度はさらに、実験を押し進め、この因子の分子量をSuperdex G-200のカラムクロマトグラフィーにて推定したところ、200〜300kDaの中等度の蛋白分子であることが判明した。また、ラット肺洗浄中には、遊離型のSP-AやSP-Dなどの比較的高分子のサーファクタント特異的蛋白が存在している。我々はこの抑制活性がこれらサーファクタント特異蛋白に由来するのではないことを検証するため、抗ラットSP-A抗体(モノクローナル)や抗ラットSP-D抗体(ポリクローナル)による中和試験を施行した。しかし、好中球スーパーオキサイド産生抑制はこれら抗体によって抑制されなかったことより、この抑制活性を有する蛋白は新種の蛋白である可能性が益々強まった。現在も精製を進めており、蛋白の同定ならびに抗体作成に取り組んでいる。
|