研究概要 |
1.培養ヒト肺動脈内皮細胞(HPACE)内superoxide anion測定 (1)superoxide anionによるhydroethidine(HE)からethidium bromide(EB)への特異的酸化反応を利用し、蛍光光度計を用いて細胞内のsuperoxide anion生成を経時的に観察、測定する方法を確立した。 (2)上記の方法を用いて、HPAECの浮遊細胞に各種mediatorを加えたところ、LPS,TNFα,IL-1βあるいは好中球エラスターゼではsuperoxide anionの生成促進は認められなかったが、leukotoxin(Lx)によりsuperoxide anionの生成は濃度依存性に増強した。 (3)LxによるHPAEC内superoxide anionの生成促進は、xanthine oxidase阻害剤(アロプリノール)により、約50%抑制された。一方、cyclooxygenase阻害剤(インドメタシン)やNADPHoxidase阻害剤(アポシニン)では、抑制効果は認めなかった。 2.HPAECの障害実験(^<51>Cr release assay) (1)Lxおよび好中球エラスターゼは、濃度依存性、反応時間依存性にHPAECを障害(%cytotoxicity)した。 (2)LxによるHPAEC障害において、アロプリノールの前処置によりその障害は抑制された。 以上の結果より、急性肺障害とくにLxによる肺障害には、血管内皮細胞自体が生成するsuperoxide anionが関与することが示唆される。
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