1 モルモットの感作:ハートレイ系雄モルモットを購入。生後4週と6週に、Ascaris suum抗原20μgを覆腔内投与した。7週目に、5mg/ml濃度のA. suum抗原液を10分間吸入させ、感作を成立させた。 2 抗原吸入誘発試験:モルモットの生後8週目の時点で、A. suum抗原液を吸入させ、呼吸抵抗の変動を記録した。呼吸抵抗は、前値を100%とすると、吸入誘発直後には平均182.3±16.0%まで増加し、その後次第に低下し、吸入2時間後には124.0±8.4%になった。しかし、呼吸抵抗はその後再上昇し、吸入4時間後に、135.1±12.2%となり、吸入5から6時間後には再度低下した。このように、抗原吸入誘発試験によりモルモットは二相性の喘息反応を示した。 3 BALF中エラスターゼ値の測定:抗原吸入誘発前と吸入6時間後、モルモットに麻酔下に気管内カニューレを留置し、気管支肺胞洗浄を施行した。生理食塩水を2mlづつ4回注入して洗浄液を回収、遠心し、その上清中エラスターゼをELISA法を用いて測定した。吸入誘発前のBALF中エラスターゼ値は全例測定感度以下であったのに対し、吸入6時間後では33.2±6.8μg/lと増加していた。
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