研究概要 |
今年度,まず当院内科第二講座に入院された結核患者より得られた喀痰から培養された結核菌のうち,INH,RFP,SMにつき完全耐性が証明された菌,3種類を用いて,freeze-boiling techniqueにて結核菌の細胞壁,細胞膜を壊しそのままPCR(polymerase chain reaction)を行った。プライマーについては,INH,RFP,SM耐性について,それぞれkatG,rpoB,rpsL,につきすでにpublishされたプライマーの塩基配列と全く同じプライマーを作製した。PCRは25μlのスケールにて行った。得られたPCR産物を0.8%のアガロースゲルにて電気泳動したところ,非特異的なバンドは少なく,比較的単一なバンドが得られたおり,PCR-SSCP法は可能と考えられた。その後,PCR産物は非変性ポリアクリルアミドゲルにて泳動を行い,銀染色を行って,バンドの検出を行った。しかし,今回,泳動度の異なる異性なバンドは検出されず,今後,泳動温度の検討やPCRの条件の検討が必要と思われた。また,すでに,変異が確認された結核菌のpositive controlが必要であり,これらは,すでに論文を執筆している研究室に交渉し,入手していきたい。また今回はコロニーよりPCRを行ったが,現在,患者さんの了承のもと,喀痰より直接,PCRを行い耐性の検索を行えるよう検討中である。
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