遺伝性運動失調症は遺伝的に不均一な疾患群であるが、そのうちの1つとしてSCA2がある。我々は、SCA2の原因遺伝子の単離を目標に以下の研究を行なった。 1.現在SCA2遺伝子座は、染色体12番q23-24.1にマップされている。この領域に存在する多型性DNAマーカーD12S84、D12S105、D12S330、D12S353、D12S76について、臨床的にSCA2と考えられる1家系で連鎖解析を行なった。新たな組み換えが認められるか否かについては、現在解析中である。また、SCA2遺伝子座領域をカバーすると考えられる酵母人工染色体を、CEPHのMEGA YACライブラリーより得たので、現在物理地図を作製中である。 2.多くの遺伝性運動失調症の家系からSCA2の家系をスクリーニングした際、Machado-Joseph病の家系が20家系見つかった。最近、この病気の原因はMJD1遺伝子内に存在するCAGリピートの異常伸長によることが明らかにされている。そこで我々は、この20家系でのCAGリピートと臨床症状との関連を調べた。その結果、CAGリピートの異常伸長の程度(長さ)により、特徴的な臨床症状のパターンをとることを明らかにした(論文として発表した)。
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