研究概要 |
1,脳磁図、脳波を用いた脳活動の解析. これまで非侵襲的には検索が困難であったヒトの体性感覚・運動野の構築を脳磁計を用いて詳細に解析した.特に従来の脳波計を用いた検索では記録困難な、頭皮,口唇部の刺激に対する脳反応部位を特定し、その特徴を報告した. (1)頭皮の機械的刺激による体性感覚誘発脳磁界(Neuroscience Letters,195:29-32,1995):これまで報告のなかった頭皮部の体性感覚誘発反応を初めて報告し,第1次,第2次感覚野での反応部位を同定した. (2)口唇刺激による体性感覚誘発脳磁界(EEG Journal,1996,in press):口唇の体性感覚誘発反応を詳細に分析した.第1次,第2次感覚野での反応部位を同定し,上下口唇の外側部・正中各部での反応の相違から,頭部の体性感覚反応の特徴を推察した. 2,経頭蓋的磁気刺激と随意運動 随意運動遂行前に大脳皮質運動野に磁気刺激を加えることにより誘発される筋電図の変化から、運動準備時期における錐体路の活動性を解析した. (1)運動開始前の誘発筋電図の相反性抑制(Muscle&Nerve,1996,in press):運動に動員される主動筋と拮抗筋の誘発筋電図を運動開始前に計測し、中枢性制御によると考えられる錐体路の相反性抑制の存在を報告した。 (2)運動中止企図による誘発筋電図の変化(Neuroscience Research,1996,in press):運動中止企図により誘発筋電図が著明に抑制されることを報告し,認知と運動制御の関連を論じた.
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