研究課題/領域番号 |
07770526
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
辰巳 哲也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20254328)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | hypochlorous acid / 心筋細胞 / 多核白血球 / Zinc / angiotensin II |
研究概要 |
我々はこれまで多核白血球のもつ極めて反応性の高いoxidantであるhypochlorous acid(HOCl)が細胞内の蛋白質をoxidationし、蛋白質のsulfhydryl(SH)基に結合しているZn^<2+>を動員し細胞内のイオン環境を変化させるなどの重要な生理的作用を示すことを報告してきた。梗塞部心筋は多核白血球の浸潤の後、交感神経の亢進、組織レニン・アンギオテンシン系の賦活化などの種々のcytokineの影響を受ける。そこでHOClの持つ細胞内作用にconditioningされた心筋細胞が、梗塞後のリモデリングに関与し、心肥大を誘導すると考えられるangiotensin IIに対する反応にどの様な影響を受けるかを培養心筋細胞を用いて検討した。 1.ラット新生仔培養心筋細胞のprimary cultureをBromodeoxyuridine(BrdU,100μM)の存在下に24-36時間培養し、serum-free mediumの条件下で24-48時間以内に実験を行った。 2.まずcontrol条件下の心筋細胞のangiotensin II刺激に対する蛋白合成能の変化をみる目的で、10^<-9>-10^<-7>M angiotensin IIによる[^3H]Phenylalanineの取り込みを検討したが、angiotensin IIにより蛋白合成能は濃度依存性に増加し、48時間の10^<-8>M angiotensin II刺激で約1.3倍に増加した。 3.10^<-8>M 以上の濃度のangiotensin II刺激により心筋細胞のc-fosが発現された。 4.25μM以上の濃度のHOClにより培養心筋細胞内の蛋白質がoxidationされるとともに、細胞内にZn^<2+>動員を生じるをことが、Zn^<2+>の特異的蛍光指示薬であるN-(6-methoxy-8-quinolyl)-p-toluenesulfonamide(TSQ)をloadした心筋細胞において認められた。 5.25μMの濃度のHOClでconditioningされた心筋細胞のangiotensin II刺激に対する[^3H]Phenylalanineの取り込み及びc-fosの発現はcontrol条件と比較し有意な差を認めることができなかった。また50μMの濃度のHOClでも細胞のliftingが著明となる以外大きな変化を認めなかった。以上より今回用いた生理的濃度のHOClは心筋細胞のangiotensin IIに対する反応に影響を与えなかった。
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