研究課題/領域番号 |
07770551
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
安部 治彦 産業医科大学, 医学部, 助手 (70231967)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 心房粗動 / リエントリ- / isthmus / ペーシング |
研究概要 |
[目的]外科的心房切開縫合により解剖学的イスムスを作成し、実験的心房粗動を誘発し、心房粗動発生時の伝導遅延部位形成に及ぼすイスムスの役割を解明すること。[方法・結果]雑種成犬10頭を用いて研究を行なった。麻酔下に心臓を露呈後、右房のsulcus terminalis下に平行に1〜1.5cmのsurgical lesionを作成した。更に、高周波カテーテルアブレーションを用いて完全房室ブロックを作成し、心室ペーシング(70ppm)下で、右心耳より心房粗動の誘発を試みた。完全房室ブロックは10頭中7頭で成功したが、3頭は作成出来ず、DCアブレーションにより行なった。心房粗動は10頭中8頭で誘発可能であった。心房粗動発生後、直ちに92対の双極電極によるmappingパッチを用いて、心房粗動のリエントリ-回路の同定を行なった。心房粗動のリエントリ-回路はsurgical lesionを中心にcrockwiseに回施する心房粗動が6頭、counter crockwise lotationに回施する心房粗動が2頭であった。心房粗同中の伝導遅延部位はsurgical lesionと上大静脈-心房合流部が3頭で、他はいずれもsurgical lesionとAV groove間に存在した。更に、本心房粗動は高位右房からのペーシングにより容易に停止し、エントレンメント現象を認めたことより、excitable gapが存在すると考えられた。本モデルによる心房粗動は高率に誘発され、術後に発生する無菌性心外膜炎モデルと同様のリエントリ-回路を有することが判明した。[結語]本モデルを用いることにより、心房粗動の伝導遅延部位に果たすisthmusの役割を解明すること、及び、伝導遅延部位における坑不整脈剤の影響を調べることは可能であると思われる。
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