研究課題/領域番号 |
07770603
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 助手 (30260889)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 新生児・乳児 / 胆道閉鎖症 / ω-3系多価不飽和脂肪酸 / 必須脂肪酸欠乏症 / ドコサヘキサエン酸 / エイコサペンタエン酸 / 網膜電位図 / 視機能 |
研究概要 |
I 魚脂に豊富に含まれるエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸(DHA)などのω-3系多価不飽和脂肪酸の、新生児や乳児の視機能あるいは脳の発達に及ぼす影響を検討する目的で、生後早期から必須脂肪酸欠乏症を来すことが知られている胆道閉鎖症(以下BA)患児の血清脂肪酸分析および網膜電位図(ERG)検査を施行した。 対象は8歳から14歳のBA患児であり、全例黄疸消失例であった。脂肪酸分析は、根治術前、術後10カ月およびERG検査時においてアラキドン酸値とαリノレン酸値の低下傾向、およびDHA値の低下が認められた。しかしながら、ERG検査の結果は全ての症例において異常所見は認められなかった。 今回の結果から、新生児・乳児期のω-3系多価不飽和脂肪酸欠乏によるERG所見の異常、すなわち神経学的な変化は、付加逆性ではない可能性が示唆され、脂肪酸欠乏症に対する治療の重要性が改めて確認された。 II 新生児・乳児の網膜電位図(ERG)検査が容易に行われれば、生後早期の児のω-3系脂肪酸をはじめとする栄養と網膜の発達がさらには神経学的発達との関係を比較的容易に知る事ができる。しかしながら本邦においての乳児におけるERG検査は、その手技上の問題などから未だ確立されていない。そこで今回、乳児におけるERG検査の検討を行った。 乳児においても成人と同様にERGが記録されたが、a波、b波および律動様小波などが成人に比して不明確であった。原因としては、光量の問題および暗順応の問題などが考えられた。今後これらの問題を解決して、新生児・乳児におけるERG検査を確立していくことが必要と考えられた。
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