研究概要 |
強皮症は皮膚の硬化を主徴とする疾患であり、その病態として、コラーゲンを初めとする細胞外マトリックスの生成に異常があることが知られている。本研究においては、強皮症患者由来皮膚線維芽細胞を用い、I型、III型コラーゲン、デコリン,マトリックスメタロプロテアーゼ(uup)-1,-2,3、の遺伝子発現をノーザンブロット法により検討した。上記の遺伝子発現は、強皮症患者の罹病期間により異なっており、発病早期の患者では、健常者と比べ過剰な発現を示したものの、発病より3年以上経過した患者では、逆に、発現の低下がみられた。また、I型およびIII型コラーゲンの蛋白量を測定したところ、mRNA量と同様の傾向を示した。以上の所見より、強皮症皮膚線維芽細胞における細胞外マトリックス成品生成は、硬化の進展とともに、動的に変動することが示唆された。
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