研究課題/領域番号 |
07770663
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松吉 徳久 京都大学, 医学研究科, 助手 (10263071)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / カドヘリン / マウスカドヘリン5 / 細胞間接着分子 / 管腔構造 / 透過性 |
研究概要 |
我々は抗血管内皮細胞カドヘリモノクローナル抗体を硫酸アンモニウム沈澱法により精製、濃縮した。そして、それを用いて抗体の認識する抗原のcDNA配列を決定した。抗原は784アミノ酸よりなり、ヒトカドヘリン5と高い相同性を示した。そこで我々の作成したモノクローナル抗体の抗原をマウスカドヘリン5と命名した。我々が単離したcDNAをL細胞に遺伝子導入すると細胞は接着性を獲得し、抗体により細胞間が染まるようになった。これらの実験結果より、このcDNAが作製した抗体の認識する抗原をコードしていることが証明された。また、抗体を用いてマウスカドヘリン5の分布を検討した結果、血管内皮細胞特異的に細胞間に分布していることがわかった。この抗体の機能阻害活性を利用して以下のような実験を行いマウスカドヘリン5の機能を調べた。血管内皮細胞株(F-2)をマトリゲルの上で培養すると管腔構造を形成する。そこでマウスカドヘリン5の機能を抗体により阻害し、どのような変化が生じるかを調べたところ、F-2細胞は管腔構造を形成せずマトリゲルの上で単層のまま増殖した。この事はマウスカドヘリン5が管腔構造形成に必須の分子であることを示唆した。また胞間の透過性を調べた結果、マウスカドヘリン5は血管内皮細胞間のHRPの透過性制御に重要な役割を担っていることがわかった。以上より我々が作成した抗血管内皮細胞カドヘリン抗体はマウスカドヘリン5を認識しており、またマウスカドヘリン5は単なる細胞間の接着のみならず、血管の管腔構造形成や透過性といった重要な働きに関与していることがわかった。
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