紫外線(UVB)による抗原提示細胞あるいはTリンパ球の機能傷害 マウス腹部にUVB(400J/m^2)を4日間連続で照射し、3日後同マウスの背部皮膚にハプテンを塗布しても、感作は成立しなかった。照射直後では、腹部にUVBを照射したマウスの背部皮膚にハプテンに塗布すると感作は成立し、UVBによる皮膚免疫抑制はlocalなものであったが、3日間でsystemicな免疫抑制が生じた。 1)そこで、腹部にUVBを4日間連続で照射し(マウス1)3日後に同種ナイーブマウス(マウス2)の背部皮膚にお互いに移植する。移植皮膚にハプテンを塗布感作し、接触過敏反応を解析すると、マウス2は接触過敏反応が誘導されたが、マウス1では誘導されなかった。 2)cell suspensionを作製して、UVB照射3日後の非照射部位の皮膚抗原提示細胞の抗原提示能を検討すると。UVB照射3日後、非照射部位の皮膚抗原提示細胞には、抗原提示能を有していたが、UVB照射3日後のマウスにハプテンderivatizedの抗原提示細胞を皮下注しても、感作は成立しなかった。これらの結果は、このsystemicな免疫抑制のターゲットとなるのは、皮膚の抗原提示細胞ではなく、Tリンパ球の機能が傷害されるために起こると考えた。
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