研究課題/領域番号 |
07770665
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 剛司 大阪大学, 医学部, 助手 (80263250)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / ウロカニン酸 / 接触過敏反応 |
研究概要 |
アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤の副作用が問題になっている昨今、他の有効な外用治療方が望まれる。紫外線B領域(UVB)の照射が有効な症例が一部に見受けられるがその作用機序は明らかでない。今回我々はUVB照射後ウロカニン酸(cis-type)の外用について調べた。UVB照射により表皮内のウロカニン酸はtrans-typeからcis-typeの光学異性体へと変換される。その55%がcis-typeに変換されたウロカニン酸(cis-UCA)の外用(1日1回,4日間連用)によりIa抗原陽性マウス表皮内ランゲルハンス細胞は正常(約800/mm^2)時のおよそ半分(420/mm^2)にまでそのdensityが低下した(C57BL/6マウス)。ウロカニン酸の接触過敏反応のexpression phaseにおける働きについて以下に示す。剃毛後のマウス腹部皮膚にDNFBを塗布することにより感作し、その5日後に耳介により低濃度のDNFBを塗布する(challenge)。その24時間後に耳介の膨脹を計測し接触過敏反応を評価するというプロトコールで実験を行った。ハプテンで感作したマウスの耳介にvehicleのみをchallenge直前に外用するpositive controlに比べてcis-UCAを外用した群では、C57BL/6マウスにおいて、約70%接触過敏反応を抑制した。 アトピー性皮膚炎患者の表皮内ランゲルハンス細胞にはIgEが付着しているのが知られ、IV型アレルギー、つまり接触過敏反応の関与を示唆する。今回、我々はcis-UCAが接触過敏反応をそのexpression phaseにおいて抑制するという結果を得た。そのメカニズムの可能性として現在我々の持ちうるデータは、cis-UCAが表皮内の抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞のdensityを低下させるということだけであるので、Tリンパ球に対する作用などさらなるメカニズムの解明と臨床への応用が今後の課題となる。
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