今回、各種炎症性皮膚疾患での好中球の自律的アポトーシスの促進、遅延の有無を検討した。 方法)正常人、炎症性皮膚疾患としてBehcet病患者から末梢多形核白血球分画をFicoll-Conray比重遠心法にて分離後、10%FCS RPMI1640にて培養を行い、経時的に採取。アポトーシスした好中球の割合の検出を行った。 結果)正常人よりの末梢多形核白血球分画での自律的アポトーシス 光顕的観察にてアポトーシスした多形核白血球を検出した所、12時間後にて50%の自律的アポトーシスを認め、72時間後には100%の自律的アポトーシスを認めた。DNA ladder形成も同様に12時間後より認められた。72時間後には生細胞数が減少し、自律的アポトーシス後に多形核白血球は自己融解したと推測された。しかし、TdT-mediated dUTP-biotin nick end labeling(TANEL法)にての検討では4時間後より自律的アポトーシスを認め、その後、経時的に増加し、16時間後に100%の自律的アポトーシスを認めた。TANEL法は光顕的観察より鋭敏にアポトーシスを検出しうると示された。また、この方法により検討では自律的アポトーシスを起こした多形核白血球が貪食されている形態が認められ、アポトーシスを起こした細胞の排除の可能性が推測された。 Behcet病患者よりの末梢多形核白血球分画での自律的アポトーシス 光顕的観察にて12時間後にて100%の自律的アポトーシスを認めた。同様に72時間後には100%の自律的アポトーシスを認め、生細胞数が減少し、自律的アポトーシス後に多形核白血球は自己融解したと推測された。炎症性皮膚疾患としてBehcet病では好中球機能の亢進が報告されているが、その機能亢進により自律的アポトーシスの促進の可能性が示された。
|