研究課題/領域番号 |
07770715
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
秀毛 範至 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50261417)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | ポルフィリン誘導体 / 腫瘍イメージング / テクネチュウム |
研究概要 |
ポルフィリン誘導体の腫瘍集積性をマウス扁平上皮癌(SCCVII)移植C3Hマウス、およびマウス大腸癌(colo26)移植CDF1マウスを用いて検討した。放射性核種標識ポルフィリン誘導体として、99mTc標識ATN-10および99mTc標識STA-R21を用い、経時的な腫瘍集積ならびに正常臓器分布を検討した。各誘導体を尾静脈より静注後、1、3、6、24時間に各群5匹づつ、屠殺解剖し、腫瘍ならびに各臓器の放射能を測定した結果、腫瘍への集積は、3時間で最大を示し、4〜6%injected dose/g tissue (ID/g)であった。一方、腫瘍外組織では、腫瘍集積が最大を示す3時間で、血液、筋肉、骨、脳、肺は、それぞれ0.7、0.6、1、0.1,3%ID/gであり、これらの組織に対しては、十分な腫瘍集積比が得られた。しかしながら、肝、腸管、脾、腎の腹部臓器では、30、12、6、4%ID/gと高い集積が認められた。これらの結果は、ガンマカメラを用いたイメージングでも確認された。すなわち、腹部の集積は高いものの、皮下に移植された腫瘍は鮮明に描出された。体内分布の経時的な検討において、ATN-10とSTA-R21との間であまり有意な差は認められなかった。以上の結果から99mTc標識ATN-10、99mTc標識STA-R21は、腹部以外の腫瘍に対しては、投与後3時間という早い時間で十分な腫瘍局在、対正常組織腫瘍集積比が得られ、腫瘍イメージング製剤として適していると結論された。次に、ポルフィリンの腫瘍集積と腫瘍細胞の生存度との関連を検討するため、SCCVII担癌マウスを用いて、治療線量(15Gy)の電子線(6MeV)照射前後の腫瘍集積を比較したが、照射後3日めには、腫瘍集積は、2%ID/gに低下し、ガンマカメラによるイメージングにおいても、腫瘍集積の低下が確認された。これらの結果は、ポルフィリンの腫瘍集積が腫瘍の代謝あるいは、生存度を反映しうることを示唆している。この腫瘍の代謝、生存度とポルフィリン集積の関連を明らかにすべく、現在、組織レベル、細胞レベルでの検討を継続中である。
|