研究概要 |
Magnetic resonance imaging(MRI)を用いた、局所脳循環動態の画像化が近年研究されてきており、特に脳賦活領域の画像化を目的とした、functional MRI(FMRI)が注目されている。今回我々は、超高速撮像であるEPI法お導入し、より高時間分解能及びより広範囲での大脳機能の局在の解明を試みた。特にEPI法の高時間分解能を活用するために、負荷としてEPI撮像に連動した視覚刺激にて、視覚野における脳機能の解明を行った。正常ボランティアを対象に、echo planar imaging(TR/TE=2000/60,Flip Angle 90°,Matrix 128X128,FOV320mm,Slice thickness 5mm)にて、一次視覚野を含む7断面にて撮像した。負荷として、光刺激は、functional MRIのサンプリングに同期させた。得られた画像を、画像解析用コンピューターに転送し、負荷に対する信号強度変化をフーリエ変換し、負荷のon,offの周期と同じ周波数成分を有するピクセルのみから画像を再構成した。また、この周波数成分からさらに位相情報を抽出し、より正確なの反応領域の同定を行った。周波数解析からは比較的広範な信号上昇領域が後頭葉に認められたが、位相画像からは、一次視覚野を中心とする信号変化の広がりが確認された。このことから、従来行われてきた、t検定や相互相関、周波数解析のみの画像では、正確な脳賦活領域の同定がなされていなかったと考えられ、位相画像の作成が不可欠と思われた。
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