平成7年度科学研究費補助金交付申請書にある研究計画・方法に基づいて機械器具備品および消耗品を購入し、ほぼ予定通りの研究成果をあげることができた。研究成果を以下に列挙する。 1 サイラトロンパルサの試作 3000pFの高圧コンデンサとサイラトロンを使用し、充電電圧が8〜16kV程度に可変できる高電圧パルサを試作した。コンデンサの充電端子をサイラトロンの陽極に接続し、他端を出力端子とした。コンデンサ充電中、出力端子は高電圧抵抗器によりグランド電位に保持される。サイラトロンは電気信号、光信号、マニュアルの三入力方式でサイリスタパルサを用いて起動した。 2 フェライトコアトランスフォーマ-の試作 最大250kVのパルス幅の短い高電圧パルスを得るために、フェライトコアの断面積と巻線比を計算し、2次巻線の浮遊容量を小さくしたトランスフォーマ-を試作しパルスX線装置に組み込んだ。 3 電気的特性の測定 試作したフェライトコアトランスフォーマ-により最大10kHzの高電圧パルスを2極管に印加し、安定した繰返しパルスX線が得られた。X線出力はプラシチックシンチレータとアルミニウムフィルタにより測定し、電圧と電流の振動時に出力した。 4 動態の単発、遅延および多重撮影に成功した。 5 超高速度シネ撮影および短X線パルスによる低線量透視撮影による研究は目下進行中である。
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