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精神分裂病の継時的認知統合機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07770775
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 精神神経科学
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

伊澤 良介  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70262194)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード精神分裂病 / 認知 / 継時的認知統合 / 思考障害 / 神経心理学
研究概要

1.精神分裂病の基本的病態として、臨床精神病理学的には「知覚の時間的、空間的な連続性の喪失」「知覚の断片化」など、継時的に繋がりを持った知覚ができなくなるという考察がある。しかし現在までのところ精神分裂病の情報処理障害論のなかでは、比較的短時間に提示される纏まりをもった知覚刺激を処理し、反応する過程の異常を問題にするものが多く、一方、いわば断片的な知覚情報を継時的に統合し、纏まった認知を形成する過程の異常を研究したものは少ない。そこでわれわれは新しい検査システムを開発し、継時的認知統合機能の異常の有無を実験的検討した。
2.新しく開発した検査システムは、プログラム言語Quick BASICを用いてPC98上で作動する以下のようなものである。カラーモニター画面上に刺激図形を提示するが、その上から黒色の遮蔽で図形は隠されている。その遮蔽に直径30mmの覗き穴をあけて裏側の刺激図形を部分的に見えるようにする。マウスを動かすことにより、被検者はその覗き穴を自由に連続的に画面上で動かすことができる。覗き穴を動かして図形をトレースし、刺激図形の部分を統合することで刺激図形の全体を認知できる。
3.慢性の精神分裂病患者25名を対象に以上の検査システムを使い、12の刺激図形を順次提示し、各刺激図形の描写による再生、及び6つの図形から正解の刺激図形を選択する再認を行わせた。また患者の症状評価をSAPS及びSANSを用いて行い、再生、再認の誤答数と、症状との関係を調べた。
4.精神分裂病患者で、この課題で再生、および再認のいずれにも障害が認められた。
再生および再認の誤答数は、いずれもSAPSの項目の中の思考障害と正の相関を示し、分裂病症状に3群に分けるLiddle,P.F.の分類に従うと、disorganizationと正の相関を示し、reality distortion、psychomotor povertyとは相関を示さなかった。
5.以上の結果から、精神分裂病には継時的認知統合機能に障害があることが図形認知のレベルで実験的に確認された。またこの障害は思考障害と関係することが示唆された。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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