研究課題/領域番号 |
07770806
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 滋 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80221323)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 抗うつ薬 / ノルエピネフリン / セロトニン / 甲状腺ホルモン / リチウム / ECT |
研究概要 |
三環系抗うつ薬イミプラミン(IMP)及びクロミプラミン(CIM)はラット脳内ノルエピネフリン(NE)系に対し、約2週間の慢性投与によりNEの低下と3-メトキシ-4ヒドロキシフェニールグリコール(MHPG)の上昇を認めた。セロトニン(5-HT)系に関しては5-HT自体の変化は認めず5-ヒドロキシインドール酢酸(5HIAA)の低下を単回及び慢性投与で認めた。また従来選択的NE再取り込み阻害薬とされた四環系抗うつ薬マプロチリン(MPR)の慢性投与での変化は、NE系に関して前皮質でMPR15mg/kg以上14日間の投与でNEの有意な低下と、MPR20mg/kg、14日間の投与でMHPGの有意な上昇を認めた。DA(ドーパミン)系及び5-HT系は、前皮質、視床下部、線条体でMPR20mg/kg、10日間以上の投与でDA、3、4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、5-HT、5HIAAが有意に低下した。一方抗うつ薬治療に抵抗する難治性うつ病に対して甲状腺ホルモン(T3)、リチウム(Li)、バルプロ酸などの併用が臨床症状の明かな改善を認める報告がある。T3投与の場合、NE系に関してIMPとT3の約1週間の慢性投与によりNEの低下とMHPGの上昇を認めた。5-HT系に関してはT3のみ投与で5HIAAの上昇を認め、T3とIMPとの併用投与ではIMPの5HIAA低下作用と相殺され5HIAAの変化は認めなかつ。次にLi投与の場合、T3投与と同様にIMPとの併用投与でNEの低下MHPGの上昇を認めた。5-HT系もT3投与と同様にLiのみ投与で5HIAAの上昇、LiとIMPとの併用投与で5HIAAの変化は認めなかった。甲状腺への影響はLi及びIMPをそれぞれ単独に慢性投与した場合、T3、T4血中濃度に有意な変化を認めず、LiとIMPを併用し慢性投与した場合T3、T4濃度はLi及びIMPに用量依存的に低下した。またLi(1mEq/kg)とIMP(20mg/kg)を併用し5日目以上慢性投与した場合、T3、T4濃度は有意な低下を認めた。最後にラットへの電気痙攣療法(ECT)による脳内モノアミンの変化は、ECT施行後3時間以内にNE、DA、5-HTは低下し、DOPAC、ホモバニリン酸、5HIAAはECT施行後3時間以後も上昇した。
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