研究課題/領域番号 |
07770838
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
鯉淵 典之 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80234681)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 甲状腺ホルモン / 下垂体 / TSH / α-subunit / 小脳 / cytochrome c oxidase / cloning / in situ hybridization |
研究概要 |
本研究の目的は、下垂体前葉、及び視床下部ニューロンの初代培養系、又は動物個体を用いて、遺伝子発現調節に及ぼすホルモンの作用を、甲状腺ホルモンの作用を中心として細胞単位で解析する事である。本年度は以下のような実験を行った。 1)下垂体の初代培養系を用いた実験 下垂体糖蛋白ホルモン(LH、FSH及びTSH)間で構造が全く同一のα subunit遺伝子について、それぞれの細胞における遺伝子発現に及ぼす甲状腺ホルモンの作用の違いを調べるため、下垂体の初代培養細胞を用いてα subunitのin situ hybridization (ISH)と、TSG、LH、及びFSHの免疫組織化学を同時に行った。その結果、TSH細胞のみで甲状腺ホルモンによってα subunit遺伝子発現の抑制が観察された。また、TSH分泌のみが甲状腺ホルモンによって抑制され、LH及びFSHの分泌は影響を受けなかった。(投稿準備中) 2)視床下部及びその他の中枢神経系に関する実験 中枢神経系に関しては当初の目的とやや異なった方向に研究が進んだ。c-erbAα2 mRNAの視床下部における局在を調べている過程(Endocrine J. 1995)で、甲状腺ホルモン受容体及びc-erbAα2遺伝子が中枢神経系のあらゆる部位に広範囲に発現する事がわかった。そこで、視床下部ニューロンばかりではなく、あらゆる神経細胞の遺伝子の発現に対し、甲状腺ホルモンがある種の普遍的な作用を持っているのではないかと考えた。しかし、視床下部はあまりにも多種類の細胞が混在して局在するため、この可能性を調べるためには適さないと考え、発生期の小脳を用いてdifferential plaque screeningにより甲状腺ホルモンによって発現が調節されている遺伝子の検索を行った。その結果、cytochrome c oxidase subunit I遺伝子をクローニングした(J. Neuroendocrinol. 1995)。現在、この遺伝子の発現が、視床下部を含めた脳内のどの部位でその時期に甲状腺ホルモンによって変化するのかをISHを用いて検索中である。
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