研究概要 |
基礎的研究としては、腎糸球体、培養メザンギウム細胞における細胞内情報伝達系、cvclin等の細胞周期関連の遺伝子および蛋白の発現と調節について検討した。培養メザンギウム細胞でのMAP kinase kascade,RB,cyclin、p21等の遺伝子と蛋白の発現、および調整。培養メザンギウム細胞においてMAPkinaseの蛋白発現と活性の調節を検討した。PDGF,ET,FCS(fetal calf serum)によりMAP kinase活性は上昇した。PDGFおよびFCSは著明にMAP kinase活性を上昇させ、ETは中等度上昇させた。cyclinDにつき検討を加えた、cyclinDには,D1,D2,D3の三種類があることが報告されているが、Westrn blotにて培養メザンギウム細胞での発現を検討したところcyclinD1が主に検出された。そこでcyclinD1について遺伝子発現の調節、overexpeessionによる細胞周期の調節を検討した。cyclinD1はETあるいはFCS刺激後6-9時間をピークに遺伝子発現のinductionが認められた。cyclinD1遺伝子をoverexpressionさせメザンギウム細胞の細胞の大きさを測定したところcyclinD1遺伝子をoverexpressionさせた時に有意に細胞の大きさの減少を認めた。またcyclinD1遺伝子のoverexpressionによりG1期の細胞数の減少を認めた。 実験腎炎による検討ではthy-1投与による実験腎炎でもcyclinD1,p21,p16等の細胞周期関連遺伝子の発現が変化することがRT-PCR法による検討でわかった。
|