研究概要 |
1.臨床的検討 インフォームドコンセントが得られた正常妊婦,糖代謝異常合併妊婦,肥満妊婦,妊娠中毒症,重症妊娠悪阻妊婦,早産妊婦,その他各種合併症を持つ妊婦,また喫煙妊婦,および超音波断層法にて子宮内胎児発育遅延や巨大児と推定された妊婦より血液を,またこれら妊婦の分娩時に新生児臍帯血を採取し、血中総IGF-I測定を行った。結果,母体血では妊娠中毒症,重症妊娠悪阻妊婦では総IGF-Iは有意に低かった。新生児臍帯血では児の出生時体重と有意な相関を示した。 今後、同サンプルのIGFBP分析を行う。また,得られた結果を妊娠週数,採血時の母体体重,母体体格Body Mass Index(BMI),採血時の母体体重増加(妊娠母体体重・非妊時体重),合併症別,その病勢の経過,新生児の出生時体重,児の体格等で分析する。 基礎的検討 ラットを用いて交配させて胎仔期より新生仔期,成体までの血清および肝臓のサンプリングを行った。今後,血中GH,肝のGHレセプター,IGF-Iの血中濃度,肝のIGFレセプターおよびIGFBPを分析し,それらの相互の関連を検討する。 IGFBPの分析はゲル濾過法,Western ligand bloting法,ligand cross-linking法で行う。またヒトの血中BP1とBP3濃度はEnzyme-linked immunosorbent assayにて測定する。
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