研究概要 |
[方法1]Lewis rat(220・300g)を用いて30%部分肝移植(肝動脈再建あり)を行い、1週間生存率を検討した。HGFは陰茎静脈より12時間おきに500μg/kgを静注した。 [結果]Control群の1週間生存率は50%(2/4)であった。これに対し、HGF投与群は2例ともに1日で死亡した。 [方法2]Lewis rat(220・300g)を用いて60%部分肝移植(肝動脈再建あり)を行い、1、3、7日目の犠牲死させ、肝重量、肝再生の組織学的評価、血清学的評価を行った。HGFは陰茎静脈より12時間おきに500μg/kgを静注した。 [結果]肝重量は体重10gあたりの比で計算した。3日目の肝重量の比はControl群が0.329(n=4)に対し、HGF投与群は0.371(n=2)と増加の傾向にあった。また7日目の肝重量の比はControl群が0.336(n=4)に対し、HGF投与群は0.406(n=4)と有意(p=0.02)に増加していた。血清学的評価および肝再生評価は現在検討中である。 [今後の方針] 1.30%部分肝移植のおけるHGF投与の効果をエネルギー充足率の方面から検討する。具体的には、30%部分肝移植周術期のエネルギー充足率を肝組織中ATP,TAN,Energy charge等で評価し、HGF投与による変動を検討する。またステロイド投与による生存延長効果も併せて検討する。 2.60%部分肝移植におけるHGF投与で肝重量増加効果が確認できたので、早急に肝再生の組織学的評価、血清学的評価を完成させる。
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