研究課題/領域番号 |
07770956
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
和田 徳昭 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10245524)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 乳癌 / 骨転移 / 破骨細胞 / Bisphpsphonate / TRACP |
研究概要 |
ラット乳癌骨転移モデルを用いてBisphosphomate(BP)を投与し、乳癌骨転移と破骨細胞の関係を検討した. (1)(I)コントロール群N=10、(II)腫瘍接種1日前BP投与群N=9、(III)腫瘍接種7日後BP投与群N=8の胸腰椎への骨転移発生率はそれぞれ70%、44.4%、37.5%でありBP投与した群で低く、特にIII群で有意(p<0.05)に低かった.また尿中ピリジノリン、デオキシピリジノリン、尿中Ca値も骨転移に伴い上昇するが、BP投与により低下し、骨呼吸、骨転移が抑制された.骨型Alp、オステオカルシンには変動を認めなかった. (2)A群:正常ラット(113椎体)、B群:腫瘍接種ラット(37椎体)の胸腰椎の矢状断最大割面をTRACP染色し骨転移巣と破骨細胞(TRACP陽性多核巨細胞)を観察すると、骨転移巣に取り囲まれた骨梁周囲で活発に骨吸収する破骨細胞を認め、骨を破壊し周囲軟部組織に広がる転移巣中にも破骨細胞を認めた.しかし、明らかな軟部組織転移巣には骨と接していても破骨細胞を認めなかった.1椎体あたりの平均破骨細胞数を算定すると、A群64.0±22.4、B群110.2±36.6(mean±SD)であり、腫瘍接種し骨転移を有するラットで有意(p<0.05)に破骨細胞数の増加を認めた.また、(1)のBP投与したII III群あわせた平均破骨細胞数は骨転移を認めても68.2±22.5であり、I群100.0±29.7と比べ有意(p<0.05)に低かった.今回の血清TRACP値は骨転移により上昇する傾向がみられるものの、個体差が大きく変動がみられた. まとめ:骨転移と破骨細胞は密接に関連し、BP投与により破骨細胞の活性化、増加を抑制すれば、骨転移の発生、進展を阻止できる可能性が示唆された.
|