研究概要 |
体重15kg前後の雑種成犬を全身麻酔下に開腹、肝へ流入する動脈性血行路および横隔膜よりの側副血行を結紮したのち右内腸骨動脈-上腸間膜静脈間に抗凝固処置を行ったカテーテルによるバイパスを形成、門脈部分動脈化モデルを作製した。カテーテル流量は正常血圧時に於て肝湿重量にして100gあたり15-25ml/minとなるようカテーテルの長さ、内径を選択した(既存データより算出)。バイパス形成前後の動脈圧、門脈圧、肝静脈圧、バイパスの血流量、肝機能(AST,ALT,LDH,T.Bil,ChE,AKBR)を測定した。7日目に再開腹、前記パラメータにつき再検、門脈圧亢進の有無、バイパスの開存の程度、肝機能の変化を検討する予定であった。5例行ったうち4例が術後6日目までに死亡した。死亡原因はカテーテル閉塞による肝血流低下が肝不全を引き起こしたためと考えられた。1例に肝腫瘍が認められた。現在カテーテル閉塞の原因を検討、モデルの改良を行っている。
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