骨格筋を用いたcardiomyoplasty(以下CMP)において塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)投与による移植骨格筋の虚血改善効果につき検討した。助間動脈からの側副血行路を遮断した広背筋にbFGFを局所投与する事により、慢性期の骨格筋血流量が増加する事が示された。bFGFを投与した広背筋は支配神経の高頻度刺激(33-50Hz)により、preconditioningされていない状態でcontrol群に比べ有意な抗疲労性を獲得する事が示された。また上記の処置を行った広背筋によるCMPによる心機能改善効果を評価したところ、4-6週のtraining期間終了後の移植広背筋の変性萎縮は認めず心係数、左室駆出率の有意な上昇を認めた。以上の結果からbFGFを用いたmolecular Cardiomyoplastyは臨床応用が十分可能であることが示唆された。
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