研究課題/領域番号 |
07771149
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩崎 幹季 大阪大学, 医学部, 助手 (80252675)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 変性 / サイトカイン / transforming growth factor / fibroblast growth factor / 骨髄細胞 |
研究概要 |
本研究では退行変性とサイトカインとの関係に着目したが、各サイトカインそれぞれが骨や軟骨の増殖と分化におよぼす作用がいまだ不確定であることと椎間板変性を調べる適当な培養系がないことから、骨髄細胞の培養系を用いてサイトカインが骨軟骨形成の増殖と分化におよぼす作用をまず明確にしようとした。使用したサイトカインは、transforming growth factor-β(TGFβ)、basic fibroblast growth factor(bFGF)である。その結果TGFβはDNA含量を抑制し、軟骨基質の主成分であるウロン酸含量を著名に促進させた。一方、bFGFがDNA含量を著名に促進させた。つまり、TGFβは未分化な骨膜細胞の増殖を抑制したが、軟骨分化は促進させた。さらに、bFGFは骨膜細胞の骨や軟骨への分化を抑制したが、細胞増殖は促進させた。このことから、bFGFは細胞増殖に主に関与し、TGFβはそれを抑制しつつ軟骨への分化を主に調節していることがわかった。 臨床的には、椎間板ヘルニアは消退(regression)することが最近知られるようになり、それにこれらのサイトカインが関与していることも考えらえる。また、退行変性でも初期の軟骨化が主な時期には主にTGFβが関与し、骨増殖や骨棘形成の盛んな時期には主にbFGFが関与していると考えられる。今後これらのメカニズムが明らかになれば、サイトカインやその抗体の補充療法による変性の治療やより生理的かつ有効な脊椎固定が可能になると考えられる。
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