研究課題/領域番号 |
07771175
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
三鍋 俊春 杏林大学, 医学部, 助手 (50200077)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 外科的侵襲 / 皮弁 / 静脈網 / 動脈網 / ラット皮膚 / 全身注入 / 血管拡張 / 主軸化 |
研究概要 |
対象動物ラットの皮膚の血管構造において以下の知見を得られた。 1.動脈と静脈を区分した観察法の開発 ラットの頸動脈より酸化鉛ゼラチン混合造影剤を全身注入することにより動脈のみを造影することに、また、別のラットにマイクロフィルを全身注入することにより静脈を造影することに成功した。この手法は再現性のあるものであり、これにより血管構造を動脈と静脈を区別して観察することが可能となった。 2.ラット皮膚内動脈、静脈の正常構造の解明 肉様膜を付着したラット皮膚の体幹部分は、胸背動脈、外側胸動脈、肋間動脈、浅下腹壁動脈、深腸骨回旋動脈の僅か5動脈で栄養されることがわかった。一方、静脈は常にこの5動脈に伴行して存在していたが、背部正中に動脈には伴行しない背側奇静脈が存在すること、動脈に比べて血管経が太いことが新たに明らかとなった。これらの動・静脈は隣接する動脈間、静脈間で互いに吻合して連続した動脈網、静脈網を形成していた。また、皮膚と肉様膜を分割すると、先の動・静脈の主要部分は肉様膜内に、末梢部分は皮内または皮膚下面に存在してそれぞれ血管網を形成していることが新たに明らかとなった。 3.外科的侵襲後の動・静脈網の変化 外科的に作成した矩形の皮弁内の血管構造の変化を観察した。動脈、静脈とも拡張変化を来して皮弁基部からの血行を皮弁末梢部まで行き渡らせる現象を認めた。この変化は動脈よりも静脈網において著明であることが解明された。すなわち、脈網では拡張・増強のみであるのに比べて、静脈網では皮弁挙上3日目にあたかも太い軸となる静脈が新たに出現したかのようであった。この現象は本研究にてはじめて確認されたもので、研究者はこれを「静脈網の主軸化」とした。
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