8週齢ウィスター系ラットを用い、GOF麻酔し手術用顕微鏡下に手術を行った。左坐骨神経を大腿部中央で切断し、シリコンチューブを用いて以下の実験群を作製した。<1群>15mmの神経欠損をシリコンチューブで架橋し中間に5mmの小神経片を介在させた。<2群>15mmの神経欠損をシリコンチューブで架橋し中間に5mmの小神経片を介在させ、5週後にシリコンチューブのみを除去した。<3群>15mmの神経欠損をシリコンチューブで架橋し中間に周囲組織を剥離せず血流を保ったままの5mmの小神経片を介在させた。<4群>15mmの神経欠損をシリコンチューブで架橋し中間に周囲組織を剥離せず血流を保ったままの5mmの小神経片を介在させ、5週後にシリコンチューブのみ除去した。全例ともに術後10週で電気生理学的検索を行った。麻酔後に神経切断部より中枢側の坐骨神経で電気刺激し、足底筋から筋電図を取った。更に同筋の停止部にて筋張力を測定した。<結果>術側下肢は全体に廃用性萎縮、関節硬縮を呈し足底筋も筋萎縮をきたしていた。活動電位は全例に導出されたが、足底筋の張力は得られず筋収縮が認められたのみであった。今回の結果より神経架橋は肉眼的、組織学的だけではなく電気生理学的にも伝導性のある再生神経が架橋されていると考えられた。今後、より長距離の神経架橋が電気学的にも可能性がでてきたと考えられた。
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