研究概要 |
長期血液透析患者に発生する二次性副甲状腺機能亢進症(2°HPT)のX線上の骨変化をsalt&pepper像(S&P)、rugger jersey像(R-J)、subperiosteal resorption像(S-R)について重症度分類し骨代謝マーカー(High-sensitivity PTH(HS-PTH), Osteocalcin(OC), Tartrate-resistant acid phosphatase(TRAP))との関連を検討した。対象は血液透析患者72例(男37、女35)で、平均年齢54.2歳、平均透析期間10.5年であった。この結果、1)骨代謝マーカー同志の関係では透析期間にかかわらずHS-PTH,OC,TRAPは互いに明確な相関を示し、いずれも2°HPTのよい指標である点が示された。2)骨代謝マーカーと骨X線所見との関係では、R-J像とS-R像が骨代謝マーカーとよく相関し、重症度判定に有用と判断した。一方、S&P像は2°HPTの有無の判定には有用だが骨代謝マーカーとは相関しなかった。3)透析期間とX線所見及び骨代謝マーカーの関係では、透析期間約10年でR-J像とS-R像が出現すること、PTHの分泌の増大は透析約10年でピークに達する事が判明した。このことからPTH分泌がピークに達する透析約10年を契機にX線所見が出現するものと考えられた。
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