種々のstageの慢性関節リウマチ(RA)患者より膝関節液を採取し、比重遠心法でリンパ球系細胞の分離を行ったが、移入に必要な細胞数を得ることは非常に困難であった。分離に成功した症例の細胞をSCIDマウスの腹腔内および静脈内に移入し、経時的に眼窩動脈より採血しながら関節炎発症の有無を観察した。移入後12週間にわたり肉眼的に観察し、血清中のリウマチ因子抗体産生量をELISA法を用いて測定したが、コントロールと比較して有意な変化は認められなかった。更に同様な細胞移入を、RA患者から得た末梢血および骨髄血のリンパ球系細胞をドナーとして行ったが、現在までのところ関節炎発症等有意な変化は認めていない。今後も症例を増やして細胞移入を行っていく予定であるが、移入するリンパ球系細胞をT細胞に限定し、場合によっては移入に必要な細胞数を得るためにクローニングを行った後細胞移入を行い、RAモデルマウスの作成を行う。マウスに関節炎を誘導できた場合、移入したリンパ球系細胞について、T細胞受容体のレパトア-をPCR法にて解析し、関与について検討する予定。
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