心疾患を有しない患者(頚椎症、頚肩腕症候群など)を対象とし、上部胸椎(T5/6間)からレントゲン透視下で硬膜外カテーテルを頭側に5cm進め造影剤+2%リドカイン3mlを注入し両側T1からT6までの広がりを確認し温覚消失範囲も両側T1からT6以上であることを確認し、心臓交感神経ブロックが確実に行われていることを確認した。翌日、2%リドカイン6mlを硬膜外注入しその後2%リドカイン6ml/hで持続硬膜外注入し、^<123>I-MIBGを静脈内投与しearly phaseとdelay phaseにおいて撮像を行った。後日、^<123>I-MIBG単独の撮像を行い胸部硬膜外ブロック時と比較検討した。 結果はearly phaseとdelay phaseともに心臓交感神経ブロック時でも^<123>I-MIBGカウントは低下せずやや増加する傾向を認めた。wash out ratioは一定の傾向を示さなかった。心拍数は硬膜外ブロック時には低下したが、血圧は低下傾向を示したが上昇する場合もあった。心拍変動は交感神経活性が抑制され、副交感神経活性が上昇する傾向があった。血清カテコールアミン値(アドレナリン、ノルアドレナリン)はともに低下傾向を認めた。 以上の結果から、ヒトにおける心臓交感神経ブロック(胸部硬膜外ブロック)時には心筋の交感神経終末における^<123>I-MIBGカウントは低下しておらず交感神経活性は温存されている可能性が示唆せれた。
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