研究概要 |
日本国内から報告された悪性高熱症(MH)患者及びその親族を対象とし、骨格筋小胞体からのCa-induced Ca release機構(CICR)の異常と、骨格筋リアノジン受容体(RYR1)遺伝子の異常の関連性について研究した。 本研究についての説明の上、同意を得られた対象者より採血し、DNAを抽出した。RYR1領域のオリゴヌクレオチドプライマー(MH1F,MH2R)を用い、PCR法で被検DNAの特定領域を増幅し、産物を制限酵素(Rsa1)処理し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動した。 以上の方法で、これまで26家系69名よりDNAを抽出した。CICRを測定した患者は26名であった。ブタMHとの関連が確立されているRYR1遺伝子変異に相同するヒトRYR1遺伝子のC1840T変異は認められなかった。 欧米では上記の領域における異常が数家系で発見されているが、本邦では発見されないことより、人種差の可能性、また他の部位の変異を検討する必要があると思われる。
|