研究課題/領域番号 |
07771239
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
河田 竜一 山口大学, 医学部, 助手 (20263783)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 糖尿病 / 閉塞性動脈硬化症 / 自律神経機能 / 脳血管炭酸ガス反応性 / 全身麻酔 |
研究概要 |
糖尿病および閉塞性動脈硬化症患者の自律神経機能と全身麻酔中の脳血管の炭酸ガス反応性を検討した。糖尿病を有する患者10例(以下DM群)および閉塞性動脈硬化症の患者6例(ASO群)、合併症のない患者10例(対照群)を対象とした。患者には本研究の内容について説明し同意を得た。 〈研究方法〉手術前に自律神経機能検査(1)起立時血圧変化(2)起立時心拍数反応(3)深呼吸時心拍数変動、を測定し点数化した(6点満点)。測定および記録には瞬時心拍計、AD変換器(本年度の研究費にて購入)を使用した。手術当日、全身麻酔導入後、経頭蓋超音波ドップラー法で中大脳動脈血流速度Vmを測定し、PaCO_2を生理的範囲内で変化させた時の血流速度の変化ΔVm/ΔPaCO_2をもって脳血管の炭酸ガス反応性を評価した。 〈結果〉1.脳血管の炭酸ガス反応性はDM群(3.3±1.3cmsec^<-1> mmHg^<-1>)>対照群(2.2±0.8)>ASO群(1.5±0.4)の順で、DM群と対照群の差は統計学的に有意であった。2.DM(2.3±0.9点)およびASO(2.2±1.3)の患者では対照群(3.7±0.8)に比べて自律神経機能は障害されていた。DM群と対照群の間には統計学的有意差を認めた。3.DM群において自律神経機能の障害の程度と脳血管の炭酸ガス反応性の間には有意な相関関係はなかった。 〈考察・まとめ〉今回の研究結果よりDMやASOでは脳血管の炭酸ガス反応性が異なる可能性が示唆された。脳血管の炭酸ガス反応性において自律神経機能の関与は未知であるが、今回の検討では自律神経機能の障害されたDM群で炭酸ガス反応性は亢進していた。DM患者の麻酔中の脳循環維持にPaCO_2管理が重要であることが明らかになった。今後各疾患を病期に分け、自律神経機能障害の程度と脳血管の反応性との関係の詳細な検討を課題としたい。
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