研究課題/領域番号 |
07771310
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
福本 裕二 熊本大学, 医学部, 助手 (20253734)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 神経因性膀胱 / 脊髄損傷ラット / 膀胱内薬物注入療法 / 抗コリン剤 |
研究概要 |
神経因性膀胱における抗コリン剤の膀胱内注入療法の有用性を検討するため、ラット脊髄損傷モデルを作製し薬剤膀胱注後、尿流動態の変化を評価した。 1.ラット脊損モデルの作製:第8-9胸椎間で脊髄を切断し、急性期から回復するまで8週間待ち実験に使用した。膀胱容量および膀胱重量はコントロール群に比べ有意に増加した。 2.覚醒下ラット膀胱内圧測定の確立:膀胱瘻を作製後、正常膀胱容量に回復するまで1週間要した。生食水またはアトロピン添加生食水0.1ml/minの流速で膀胱を満たしていき、覚醒下で排尿反射を記録した。アトロピンは10^<-6>および10^<-5>M溶液を使用し、10分間膀胱内に貯留後測定した。 3.尿流動態パラメーターの検討:(1)コントロール群では膀胱容量0.3ml、圧閾値8mmHg、最大排尿圧40mmHg、排尿回数21.7/hrとなった。10^<-6>Mアトロピンの胱注により膀胱容量の増加が認められたが、他のパラメーターの変化はなかった。(2)脊損群では、不規則な膀胱収縮が頻回(102/hr)出現し排尿筋過反射を示した。最大排尿圧31mmHg。10^<-6>Mアトロピンの胱注で膀胱収縮は、60/hrと減少し規則正しくなった。さらに、10^<-6>Mでは、排尿筋の異常反射は消失し膀胱容量は著明に増加した。 4.本研究でラット脊損モデルで抗コリン剤の膀胱内注入が神経因性膀胱による排尿筋過反射を抑えるのに有効である事が実証された。今後、種々の選択性ムスカリン拮抗剤やカルシュウム拮抗剤の尿流動態に及ぼす影響を検討し、より有効な薬剤を検索する予定である。さらに、薬剤胱注後、血中濃度を測定する事により全身性の副作用も検討する必要があろう。
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