研究課題/領域番号 |
07771316
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
藤田 圭治 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50264734)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | オステオポンチン / 尿路結石 / グリオキシル酸 / ラット / マクロファージ / サイトカイン / 接着分子 |
研究概要 |
カルシウム含有尿路結石中にマトリックス成分としてオステオポンチン(OPN)とカルプロテクチン(CPT)が存在し、腎遠位尿細管細胞にOPNが強く発現している。一方、動脈硬化症では石灰化病変の周囲にマクロファージが浸入してきており、それがOPN蛋白とmRNAを発現していることは報告した。そこで、尿路結石の形成機序においてマクロファージがどの様に関与しているのかを検討した。 グリオキシル酸を投与したラットの腎臓を用いてOPNの発現をNorthan blot法、in situ hybridization法、免疫組織化学染色法を用いて調べ、マクロファージ、IL-1、IFNγ、TNFα、ICAM-1、LFA-1、LECAM-1の発現を免疫組織化学染色法、Western blot法で検討した。蓚酸カルシウム染色にはPizzolato法を用いた。 20mg/kg投与群では、結晶が形成されてOPNの発現が強くなる14日目より早期の7日目にマクロファージは遠位尿細管周囲の間質に出現していた。OPNが発現している領域とマクロファージが認められる部位は髄質であり一致していた。そして、マクロファージ関連のサイトカイン、接着分子であるIL-1、TNFα、ICAM-1の発現が7日目より見られた。IFNγ、LFA-1、LECAM-1の発現は見られなかった。 結晶形成が見られる時期やOPNの発現が強くなる時期より早期にTNFα、IL-1α、ICAM-1の発現とマクロファージの出現を認めたことから、他の炎症性疾患と同じように結石形成機序においてもその初期にICAM-1などの接着分子の発現によって血管内から腎間質へマクロファージが遊走し、それが発現するサイトカインが作用して腎尿細管上皮から更にされらのサイトカインが発現し、その刺激によりOPNの発現が強くなり、結晶形成が起こるのではないかと推察した。
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