研究概要 |
成熟New Zealandウサギを無麻酔下で頭部打撲脱血屠殺し、左右一対の陰茎海綿体を取り出し、二等分して陰茎海綿体切片を作製した。これをTyrode液を満たしたMagnus管内に長軸方向に懸垂し、95%02+5%CO2の混合ガスを通気し、液温を37度に保った。海綿体切片に1gの張力を負荷し、約2時間Tyrode液内で安定させた後にguanethidine monosulfate, atropineを前投与し、薬物の添加を開始した。KT5720(cyclic-AMP依存性protain kinase阻害薬),KT5823(cyclic-GMP依存性protain kinase阻害薬),そしてKT5926(cyclic-GMP依存性protain kinase阻害薬)をそれぞれ前添加した群と前添加しない群で、l-phenylephrineの収縮反応を100%としたときのPG E1およびforskolineの弛緩反応率を比較し、それぞれの薬剤がどのpath wayを経て、陰茎海綿体平滑筋を弛緩させるかを検討した。張力変化はisometric transducerを使用して等尺性に測定し熱書記記録器に記録した。 1.PG E1の弛緩反応率の検討:対照群に比較してKT5926前投与群のPG E1の弛緩反応率は,有意に減少した.KT5720およびKT5823前投与群は対照群と比較して有意な減少は認めなかった.このことからPG E1の陰茎海綿体弛緩反応における細胞内作用機序は,cyclic AMPを介することが推測された. 2.Forskolineの弛緩反応率の検討:現在実験中であるが,対照群に比較してKT5720およびKT5823前投与群のPG E1の弛緩反応率は,減少傾向を示している.KT5926についてはH8.3月より実験を開始予定である.
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