研究課題/領域番号 |
07771343
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 潔 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (70241594)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Topoisomerase II / 子宮体癌 / 異型内膜増殖症 / 腺腫性増殖症 |
研究概要 |
Microsatelliteに関しては、既に多くの論文が出てきていたため、今回はDNA Topoisomerase II(TopeII)の検索を子宮体癌で行った。TopoIIは、環状二本鎖DNAを同時に切断および再結合する酵素であり、S期後半よりG2/M期に急速に発現し分裂終了に伴い急減するとされる。今回、ヒト子宮内膜癌におけるTopoIIの発現を免疫組織学的に検討し、in situでの細胞増殖動態を検討した。また一部の症例では隣接切片でKi67との比較点灯を試みた。(方法)正常子宮内膜12例(増殖期7例、分泌期5例)、増殖症14例、内膜癌30例のパラフィン包埋標本を使用した。一次抗体として8D2(抗αtype)モノクローナル抗体(三菱化成生命科学研究所)を用い、autoclave処理後ABC法にて免疫染色を施行した。(成績)TopoIIの発現は核内に認められた。Labelling Indexは増殖期内膜24.0%、分泌期内膜2.1%、(腺腫性増殖症25.7%、異型増殖症47.1%、内膜癌60.7%(G1 60.8%、G2 55.8%、G3 66.8%)であり、異型増殖症および内膜癌は、増殖期内膜および腺腫性増殖症に比して有意に陽性率が高かった。Ki67との比較では増殖期内膜・腺腫性増殖症においてKi67の陽性率はTopoIIに比して高い傾向にあったが、異型増殖症および内膜癌での陽性率の増加は同程度であった。(結論)1、TopoIIの免疫組織学的検討によりS期後半からG2/M期に相当すると考えられる増殖細胞を病理組織切片上で同定できる事が示唆された。2.TopoIIの陽性率が、異型内膜増殖症において腺腫性増殖症よりも有意に高いことより、両者はTopoIIで検索した細胞増殖能および生物学的悪性度に相違があるとも考えられた。
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