研究概要 |
1 細胞分離 母親より同意を得たうえ、成熟児よりFicoll-Hypaque比重遠心法で単核細胞(造血幹細胞を含む)を分離した。 2 血清および胎児肝組織間質液 成熟児および未熟児臍帯血を3000rpm,30min遠心し、0.22-μmol-l membraneを通し血清を無菌化した。胎児肝組織に関しては、母親より説明と同意が得られず、採取できなかった。 3 液体培養 DMEM3mlに10%成熟児、未熟児臍帯血血清またはFCSを加え、さらにサイトカインとしてSCF,IL-1,IL-3,G-CSF,EPOを添加し培養液とした。成熟児臍帯血単核細胞(6x10^6)に上記培養液を加え、5%CO_237℃の環境下で液体培養した。4日毎に培養液を交換し、同時に一部を下記のcolony assay法およびFACScan法により造血幹細胞の増幅を計数した。 4 CFU-GMcolony assays メチルセルロース法によりcolony assayを行った。すなわち、1.2%メチルセルロース1mlに1-5x10^4個の単核細胞を添加し14日間培養後、CFU-GMを計数した。サイトカインとしてIL-3,IL-6,G-CSF,GM-CSF,EPOを添加した。CFU-GMは、成熟児または未熟児臍帯血血清群では、Day4に15倍の増幅を認め、一方FCS添加群では、Day8に20倍の増幅を認めた。臍帯血血清は造血幹細胞の分化の促進に関与するが、増殖には関与しない可能性が示唆された。 5 FACScan 造血幹細胞の表面標識としてのCD34+CD33-細胞数,CD34+CD38-細胞数を経時的にFACScanにより計数したが、培養細胞のため、分画をはっきり認識できず、評価に耐えうる結果は得られなかった。
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