研究課題/領域番号 |
07771398
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
重根 俊彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50244728)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 卵巣 / 卵胞閉鎖 / 黄体退行 / アポトーシス / DNA / オートラジオグラフィー |
研究概要 |
アポトーシスは、種々の重要な生理学的あるいは病理学的な過程に関与するものであり、すでにプログラムされた細胞死(programmed cell death)であるとされている。性腺機能の調節に関するアポトーシスの研究は、今までラット、ウシ等の実験動物モデルを用いて検討されてきた。しかし、今までヒト卵巣におけるアポトーシスを分子レベルで検討した報告はない。今回われわれは、ヒト卵巣機能の調節機構について、断片化DNAの3'末端標識法を用いることで、ヒト卵巣機能へのアポトーシスの関与について検討した。正常月経周期を有する子宮頸癌患者から手術時に卵巣を採取した。また、妊娠黄体は、子宮外妊娠患者から得られた(学内倫理委員会承認済み)。卵胞あるいは黄体を含む卵巣組織についてin situ DNA3'末端標識法を用いて、卵巣組織あるいは細胞におけるapoptosisの出現について検討した。また、黄体組織よりDNAを抽出し、DNA末端を標識、電気泳動分離後にDNA断片化についてオートラジオグラフィーにて検討した。「成績」ヒト月経黄体については、黄体期中期から末期にかけて特徴的なDNAの断片化の出現および増加を認め、apoptosisによる黄体細胞のプログラム細胞死が起こることが判明した。また、妊娠初期黄体では黄体細胞のapoptosisが抑制されていることがわかった。「結論」ヒト月経周期において卵巣の黄体の退行はapoptosisであることが判明した。これらの成績は、“Apoptosis of human corpora lutea duraing cyclic luteal regression and early pregnancy."という題名にて1996年7月Journal of Clinical Endocurinology and Metabolism誌81巻7月号に掲載予定である。また、ヒト卵胞の閉鎖もまたapoptosisによるものであることが確かめられている。
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