研究概要 |
hMG投与による過排卵処理した家兎卵巣を用いて、radioreceptor assay、およびautoradiographyを行い、家兎卵巣の排卵過程におけるangiotensin II受容体の特性および局在について検討した。 1.radioreceptor assay:hMG刺激後の家兎卵巣より粗膜分画を抽出し、^<125>I-[Sar^I,Ile^8]-Ang IIとAngII analogを用いてradioreceptor assayを行った。家兎卵巣膜分画には高親和性のAngII受容体が存在した(IC50:[Sar^1,Ile^8]-Ang II〜10^<-8>M,Synthetic AngII〜10^<-7>M,saralasin〜10^<-9>M)。また、AngII受容体のサブタイプであるAT1に特異的なCV-11974ではIC50〜10^<-7>M、AT2に特異的なPD123319ではIC50〜10^<-8>Mであった。 2.Autoradiography:hMG刺激後の家兎卵巣において、^<125>I-[Sar^1,Ile^8]-AngIIを用いたautoradiographyを行った。家兎卵巣では顆粒膜細胞と莢膜細胞に^<125>I-[Sar^1,Ile^8]-AngIIと親和性を有するAngII受容体の局在が認められた。さらに、AngIIの選択的拮抗剤を同時投与すると、CV-11974では変化がないのに対し、PD123319では^<125>I-[Sar^I,Ile^8]-AngIIの結合が抑制された。 以上より、排卵前家兎卵巣内には顆粒膜細胞および莢膜細胞にAngII受容体が局在し、AngIIに高親和性を示し、この受容体はAT2受容体であることが明らかとなった。
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