研究課題/領域番号 |
07771445
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
益田 慎 広島大学, 医学部, 助手 (50263695)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 人工内耳 / 補聴 / 内耳機能 / 時間分解能 / 語音聴取検査 |
研究概要 |
補聴手段として補聴器を選択するか人工内耳を選択するかを術前に判断するために、とくに残存聴力を有する患者の語音聴取能力を適正に評価する検査法の開発を本研究の目的としている。本年度は実際に残存聴力を有して人工内耳を施行した症例2例と同一症例で人工内耳の使用電極数が変化した症例について各種検査で評価した。 残存聴力を有する両側高度難聴患者2名にたいして、純音聴力検査のほかに、補聴器および人工内耳装用下における矯正聴力と一定音圧呈示による語音聴取検査をおこなった。その結果、補聴器による矯正聴力と人工内耳による矯正聴力の間に差を認めなかった。各種語音聴取検査では人工内耳装用時の成績は補聴器装用時の成績を大きく上回った。このことから、一定の条件を満たせば補聴器よりも人工内耳の方が語音聴取の上で有利であることが判明した。 同一症例で人工内耳の使用電極数が変化した症例について、電極数の変化前後で矯正聴力と語音聴力検査を施行した。矯正聴力には変化はなかったが、語音聴力検査成績は大きく変化した。さらに人工内耳の装用に読唇を併用するか否かで語音聴取検査の結果は異なった。本症例からは人工内耳による語音聴取の過程で、読唇の併用した場合と併用しない場合では中枢での語音処理過程が異なることが示唆された。以上の結果はThe first Asia Pacific Symposium on Cochlear Implant and Related Sciencesにて口演する。 今後の本研究の展開としては、人工内耳の装用効果が補聴器の装用効果を上回る条件をさらに詳細に把握することを目的とした臨床研究を実施する予定である。具体的には歪み語音による聴取検査を実施し、内耳機能としての時間分解能を評価する検査手法を開発することを計画している。
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