研究概要 |
鼻アレルギーの病態における血小板活性因子(PAF)およびその分解酵素であるPAFアセチルヒドラーゼ(PAF-AH)の役割について検討するために、季節中のスギ花粉症患者の誘発鼻汁など血清を用いて実験を行った。スギ抽出液により作製したディスクを用いて誘発し、15分後の鼻汁を採取し実験に用いた。サンプル中のPAF-AH活性はMiwa et alの方法に準じてRIA法にて測定した。その結果、現在まで検討した全例においてPAF-AH活性を検出し、これを定量した。さらに鼻汁中のPAF-AHの特性を血漿ならびに細胞質画分のPAF-AHと比較検討するため、それぞれをTrypsin,EGTA,EDTA,pBPB(p-Bromophenacyl Bromide),NaF(Sodium Fluoride),DTNB(5,5、-Dithio-bis-(2-Nitrobenzoic Acid)で処理し、残存したPAF-AH活性を測定した。 その結果、誘発鼻汁中のPAF-AHは、炎症、アレルギー反応に深く関与する血漿型のPAF-AHであることが判明した。現在鼻アレルギー患者の血清及び鼻汁中のPAF-AH活性値と臨床症状についての関連を検討するために、データーを集積し、解析中である。
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