研究課題/領域番号 |
07771500
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
里見 文男 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20248149)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 顔面神経麻痺 / 虚血性麻痺 / 動物モデル / ステロイド治療 |
研究概要 |
家兎をネンブタールの静注麻酔下に、頸動脈に静脈留置カテーテルを挿入固定し、ここからトロンビン溶液を注入して血栓を作り虚血性顔面神経麻酔動物を作成した。トロンジン溶液の濃度は幾種類か試した結果、完全麻痺の発症が確実で死亡率の低い、1ml当たり4000単位の濃度のトロンビン溶液を0.5ml注入する方法が適当であると判断した。神経障害の程度を調べるために最大刺激検査と組織学的検査との両面から検討した。発症2週間後の時点でヒルガ-の刺激装置で最大閾値上刺激を加え臨床で行われる最大刺激検査を簡略化して3段階評価を行い高度障害発症は68%であった。次いで病理学的検査は顔面神経頬筋枝を摘出し、準超薄切片を作成して、光学顕微鏡下に観察した。画像解析装置を用いて有髄神経線維密度を計測した。最大刺激検査で軽症であった症例でも線維密度は若干低下していたが、高度障害例と中等度障害例とでは著明に線維密度が低下していた。線維密度を正常の20%以下、即ち2000本/mm^2を高度障害例と仮定するとその率は63%であった。次に顔面神経麻痺を作成した家兎20匹に1回10mgで7日間ステロイド剤を投与し2週後に同様の検査を行った。最大刺激検査では高度障害例は1例も見られず中等度障害例よりも軽度障害例が多かった。組織学的には軽度障害例と中等度障害例との間に明らかな差を認めた。ステロイド剤による治療は有効であると考えられた。
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