研究課題/領域番号 |
07771511
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
笹本 洋一 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (40241327)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 実験的自己免疫性ぶどう膜炎 / EAU / 視細胞間レチノイド結合蛋白 / IRBP / ペプチド / Th1 / Th2 |
研究概要 |
ヒトの内因性ぶどう膜炎の動物モデルである、実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)は、眼特異抗原を免疫することにより、抗原提示細胞上のclass II主要組織適合抗原(MHC)と結合した抗原が、特定のT細胞レセプターを持つヘルパーT細胞(Th)を活性化し、網膜ぶどう膜に炎症を惹起するものである。このようなT細胞は、IL-4やIL-6などを産生し抗体産生に関係するTh2細胞ではなく、IFN-γ、IL-2を産生し遅延型アレルギー反応などの細胞性免疫反応をおこすTh1細胞であることがわかっている。 本研究では、眼特異抗原のうち、視細胞間レチノイド結合蛋白(IRBP)の内部にある、MHCへの結合部位が1個しかないと考えられる極めて小さい合成ペプチドで、種の間で相同性が保たれているペプチド(牛IRBP由来のBovine13mer(GSSWEGVGVVPDV)、ラットIRBP由来のRat13mer(GSSWEGVGVTPNV)、ヒトIRBP由来のHuman13mer(GSSWEGVGVTPHV)の3ペプチド)を用いて、ラットにおけるEAUの免疫学的応答を検討し、抗原特異的抑制性T細胞の可能性について検討した。 この結果、Bovine13merを免疫したルイスラットは、EAUを強く発症し、Tリンパ球増殖反応を強く誘導した。しかし、Human13merで免疫したルイスラットは、EAUの発症、Tリンパ球増殖反応のいずれもみられなかった。一方、Rat13merで免疫したルイスラットはEAUの発症は認められたが、Tリンパ球の増殖反応は見られなかった。 そこで、Rat13merを免疫して誘導された感作リンパ球を抗原刺激し、その上清中のサイトカインを調べたところ、ThlタイプのサイトカインであるIL2の産生が確認されたが、Th2タイプのサイトカインであるIL4は産生されなかった。 従って、ラットにおいてRat13merの免疫により、Tリンパ球増殖反応は起こさないが、EAUを惹起できるTh1タイプのThが存在することが明かとなった。 今後、このユニークなThの性状を明らかにしていきたい。
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